勤怠管理も対象!上場を考えるなら知っておきたい内部監査の必要性

 

勤怠管理の内部監査

 

将来的に上場を視野に入れている場合、早めに動いておきたいのが内部統制の整備。内部統制は日々の積み重ねが大事なので、いざ上場するというときになって対応するのでは大変なので、できることからしっかりと対策しておきましょう。

 

上場を考えるなら内部監査制度の構築が必要

現在は上場の有無に関わらずコンプライアンスへの取り組みが企業に求められる時代です。コンプライアンス違反は企業への信頼に関わることなので、日ごろから内部統制に取り組んでいる企業も多いはず。

 

これが上場となると内部統制の取り組みの重要度はさらに増します。ルールや仕組みづくりはもちろんのこと、内部統制がしっかりと機能しているかをチェックしていく必要があるのです。

 

日ごろから社員によるチェックプロセスを業務に組み込むだけでなく、別の視点から企業が抱えるリスクや問題を早期に発見し、未然に解決するための仕組みが必要になってきます。それが内部監査の制度です。

 

内部監査は独立性が確保できれば兼任でも良いとされていますが、上場を考えるのであれば内部監査室を設けたほうが独立性の点はもちろん、監査という役目を果たすという点でも安心と言えるでしょう。

 

内部監査はどのように行えばいい?

これから内部監査制度を構築する場合に気になるのが、「どのように実施していったらいいのか?」という点です。

 

ということで、内部監査を行う場合の流れを見ていきましょう。

  1. 計画
  2. 予備調査
  3. 本調査
  4. 評価・報告
  5. 改善

 

計画段階では中長期の監査計画を立てたうえで、それをもとにした年度ごとの監査計画を立案していきます。年度ごとの監査計画は部門単位、監査対象でさらに細かく計画を落とし込み、予備調査に入ります。

 

予備調査とは、本調査の1~2ヶ月前に行うもので、対象部門の組織図やマニュアルなどの資料を収集し業務の現状を把握しておくことです。現状と想定されるリスクから監査項目を絞りこみ、監査手続書を作成します。また、予備調査と同時期に対象部門に監査実施の通知を行い、監査の要点をあらかじめ伝えます。

 

予備調査で作成した内容に基づき本調査を行ったら、評価し監査報告書を作成します。この内容を経営者と監査対象の部門に報告しますが、問題点があればその報告だけでなく改善指示書として改善の提案を明示します。

 

改善指示書が出された場合、対象の部門は指摘されたことを改善し、その措置を内部監査部門に報告するという流れです。最終的に改善がされているかどうかを再監査することになりますが、随時行う場合もあれば、次回の監査でチェックする場合もあります。

 

内部監査はPDCAの流れをしっかりと回し、悪いところを見つけるだけでなく改善後のプロセスこそしっかりと行うのが大事だと言えるでしょう

 

労務管理は上場審査で見られる重要ポイント

内部監査は企業が健全な経営を維持するために行われるもので、上場時の審査でもその整備状況がチェックされます。以前は内部監査といえば会計や財務が中心でしたが、昨今では労務管理の項目も重要視されています。

 

上場時も労務管理は審査の大事なポイントであり、従業員の労働時間(残業時間)を正確に把握し、法令を順守した賃金を支払っているのかがチェックされます。このチェックで問題が発覚すると上場が見送りになるリスクはもちろんですが、未払いの賃金が発覚したことで過去2年にさかのぼって支払いをすることになりかねません。。

 

未払い賃金と聞いて、「うちはしっかり払っている」と思っている方も、残業代の計算が間違っていたり、法改正に対応していなくて過去の計算のままだったりということもあるので注意が必要です。

 

特に最近は働き方改革による労務関連の法改正が予定されているため、より気を付ける必要があります。上場を見据えて内部監査制度を構築する場合は、社労士にも相談しながら進めていきましょう。

 

まずは勤怠管理を見直して法令に則った体制づくりを

どんなに経営状況がよくても労務管理が原因で上場が見送りになるケースもあるため、上場を考えるのであれば、すぐにでも勤怠管理の見直しをしていきましょう。ただ、上場にあたり内部統制の整備や、内部監査制度の構築などやらなければいけないことは多岐にわたります。勤怠管理をマンパワーに頼っている場合はシステム化も検討するなど効率も考えて準備を進めていきましょう。

 

 

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