勤怠管理のワークフローはどうシステム化する?クラウドにすべきケースとは

業務の効率化を目指すとき、ワークフローのシステム化は考慮すべき重要なポイントです。勤怠管理にもワークフローがあるので、勤怠管理の効率化を目指すのであればその点の考慮が必要になってきます。今回はワークフローに焦点を当て、勤怠管理システムの導入について考えてみましょう。

ワークフローとは?

ワークフローとは

 

システム化の話をするときの「ワークフロー」とは、簡単に言えば社内の手続きに必要な「申請・承認・決済」の流れを指します

 

会社を運営するためのルールはいくつもあり、そのルールに則っているかをチェックする必要があります。

 

たとえば、

  • 交通費の支払いルール
  • 有給休暇の上限
  • 備品を購入する場合の金額制限(一定額を超えるものは稟議書の作成)

などの決まり事です。このルールのチェックを受けて、最終的に対応部門が処理していきます。

 

また、こういったお金に関わるものだけでなく、以下のように報告や作業の依頼もルートが決まっていることで、その確認や許可、実際の処理が円滑に進みます。

  • クレームを受けた場合の報告
  • 住所など従業員情報の変更
  • 入館証やアカウントの発行

社内で決められたルールに基づき、しかるべき権限の担当者が確認し、許可を出すという手続きを踏んでいくのがワークフローです。

 

ワークフローはその会社によって運用方法が異なりますが、大きく分けると次の3つの方法が一般的です。

ワークフローの運用方法

 

①紙による管理

まず中小企業に多いのが紙による管理です。各種申請に応じて決められたフォーマットがあり、その用紙に記入して上司や担当部署に提出します。

 

紙で運用している場合、他の資料に埋もれて承認を忘れてしまう、書類を紛失してしまう、保管する場所の確保が難しい、過去分を探すのに時間がかかるといった不満を抱えている企業が多いというのがデメリットです。

 

承認済みの申請書は、最終的に担当部署が記入された内容をシステムに手入力することが多く、処理に時間がかかってしまうのはもちろん、ヒューマンエラーが発生するリスクを抱えているのも問題です

 

②メールとファイルサーバによる管理

エクセルやワードなどで作成したフォーマットをダウンロードし、パソコン上で入力したファイルをメールで承認者に送信するという方法をとっている企業もあります。承認されたファイルは共有のファイルサーバに保管することが多いですね。

 

ファイルで管理するので、承認後の手続きで担当者が入力する手間が軽減される、物理的な保管場所が削減できるというのがメリットです。

ただしこの方法もまたデメリットがあり、メールの見逃しや改ざんのリスクを持っています。

 

また、部署の機密情報の場合、その閲覧権限をファイルサーバ上で行う必要があるので、かなり複雑な管理になるでしょう。メールの送信先を間違えることで、関係のない部署に申請内容が漏れてしまったり、顧客に誤送信して機密情報が洩れてしまったりという、セキュリティ面での問題も残ります。

 

③システムによる管理

これらのデメリットを解消するため、最近では中小企業でもワークフローをシステム化する企業が増えています。システムによる自動化をすることで、パソコン上の電子フォーマットに必要事項を入力して申請ボタンを押すだけで、種類や部署に応じてしかるべき担当者に承認依頼を送信できます。

 

承認者も、依頼を受けた申請書の中身を確認して問題がなければ「承認」、不備があれば「差し戻し」をボタン1つで操作できるという簡単さです。宛先もシステムが判断してくれるので、誤って関係のない人に送信してしまうというセキュリティ面での心配もありません。

 

ワークフローのシステム化で得られるメリット

ワークフローのシステム化で得られるメリット

 

ワークフローをシステム化することで得られるメリットは多く、導入するシステムによる違いはありますが、以下の3つはどのシステムにも共通して言えるメリットです。

  1. 業務プロセスが見える化できる
  2. 決済までの時間が短縮できる
  3. ペーパーレスによるコスト削減ができる

紙で管理していると、自分が出した申請書をいま誰が処理しているかというのが分かりにくいですよね。これはシステム化により、リアルタイムで処理状況を確認できるようになります

 

また、パソコン上で完結するので決済までの時間短縮もできます。もし、処理に時間がかかっている場合も、だれが処理しているかが一目で確認できるので、処理をしている担当者に問い合わせて早めに対処することも簡単です。

 

データで保管されるため、ペーパーレス化はもちろんのこと、他システムとの連携がしやすく、担当者の業務負担を減らすことができます。

 

こうやって見ると、良いことづくめに見えるワークフローのシステム化ですが、もちろんデメリットもあります。

 

それは業務フローが複雑な条件で分かれている場合や、承認ルートが複数ある場合には、システムでは対応しきれないケースがあるという点です。この場合、導入前に業務フローを明確にできるかどうかが、システム化の成功を左右します。

 

大抵の場合、現状のフロー通りに対応するのは難しいので、ある程度業務フローに近い設定ができるシステムを選びつつ、システムに合わせて業務フローも見直していくのが一般的です。どうしても業務フローを現状のまま維持したいという場合は、独自のシステムを開発するか、パッケージをカスタマイズする必要があります。

 

これは導入前にしっかりと検討する必要があり、この作業をせずにワークフローパッケージを導入してしまうと、システムで対応しきれずに結局は紙での運用に戻ってしまう…ということもあるので注意しましょう。

 

勤怠管理を導入するならワークフロー機能付きがおすすめ

勤怠管理のワークフロー

 

では、勤怠管理システムを導入する場合、ワークフロー部分はどのようにシステム化すればいいのでしょうか?

 

勤怠管理で使う申請の種類には、主に以下のようなものがあります。

  • 打刻時間の修正
  • 遅刻・早退申請
  • 休暇申請(有給休暇・慶弔休暇・夏季休暇等)
  • 残業・休日出勤申請
  • 代休申請
  • 振休申請

これらの申請が承認されることで、勤怠管理システム上のデータが変更できるようになるのですが、勤怠管理システムではこのワークフロー機能を備えたものが一般的です。つまり勤怠管理システム内で完結できるということですね。

 

勤怠に関するワークフローは、グループウェアやワークフローに特化したパッケージでもシステム化できますが、そうなると勤怠管理とワークフローでシステムが分かれてしまいます。勤怠管理をシステム化するのが優先だという場合は、ワークフロー機能を含む勤怠管理システムを選ぶようにしましょう

 

ワークフローのシステム化で注意する点

 

上の図のように、複数のシステムを導入する場合、色々と組み合わせ過ぎるとシステム間の連携が多くなってしまい、仕組みが複雑化してしまいます。仕組みが複雑化するということは、システムの構築やカスタマイズ、メンテナンスの費用がかさむということ。

 

勤怠管理システムの導入と同時にワークフローのシステム化も考えるのであれば、勤怠管理システム内にワークフロー機能があるもののほうが、他システムとの連携も少なくすむというわけです。

 

ASP・クラウド型なら外勤の従業員もラクラク

最近の勤怠管理システムはワークフローの機能を備えているものが一般的とはいえ、システムを検討する際はしっかりと機能をチェックしておきましょう。

 

営業やお客様先に常駐する従業員が多い場合は、外部からもアクセスできるタイプ(ASP・クラウド型)を選ぶのがおすすめです。

 

すでに社内で稼働しているワークフローパッケージにプラスして勤怠管理システムを導入したいという場合は、システム間の連携も考えて企業ごとのカスタマイズに対応しているかを問い合わせ時に確認してください。

 

 

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